1枚以内に収めなくてはならない手紙がある一方で、わざと白紙の便箋を重ねて二枚以上にする手紙があります。
いったいどんな意味が込められているのでしょうか?
一般的に知られているのは、裏側が透けないように配慮するといったことですが、実は他にも理由があるのです。
今回は、意外と知られていない白紙に関する由来と、手紙のマナーについてまとめてみました。
今後の参考にしてみてくださいね♪
内容によって異なってくる便箋の枚数
手紙を1枚に収める場合と2枚以上にする手紙では、いくつかの理由があります。
■1枚におさめる手紙
重なるイメージがタブーとされる弔事の手紙は「不幸が重ならないように」という意味があります。
弔事だけでなく、お見舞いの手紙なども1枚におさめます。
■2枚以上に重ねる手紙
こちらは諸説ありますが、以下のような理由があげられます。
手紙のやりとりは古くからされており、離縁状や果たし状といった、現代ではほとんど聞かないようなものにも使用されておりました。
- 1枚だけだと裏側から透けやすく他人にも読めてしまうため
- 文面は1枚で終わってしまったがもっと書きたいという気持ちを白紙で表すため
- 縁起が悪いとされる手紙が1枚切りの書状なので、縁切りを連想させる1枚の手紙は失礼とされた
- 封筒についても同様のマナーがあるので、それと混同されて広まった
礼儀やマナーといったこともそうですが、縁起を担ぐ意味も込められているのですね。
正式な場面や、目上の人へ手紙を送るときのために覚えておきましょう。
白紙の重ね方は?
白紙の便箋は書いた手紙が内側になるように折りましょう。
その際に気を付けたいのが、後付けとなる日付・署名・宛名です。
これ等を2枚目に書く事は失礼となりますので、手紙の内容や表現を工夫するなどして後付けまでが1枚で収まるように書きましょう。
便箋の折り方・封筒の入れ方のマナーは?
和封筒におさめる場合は、三つ折りにして封筒へ入れます。
下三分を上に折り上げ、次にもう三分の一を折り下げて完成です。
書き出しの文が、封筒の裏から見て右上にくるように入れましょう。
洋封筒の場合も折り方は一緒ですが、入れ方は封筒の表から見て書き出しの文が右下にくるように入れるのがマナーですので、気を付けましょう。
時代と共に変わる手紙のマナー
白紙をそえる意味について説明しましたが、最近では環境問題やメールなどの普及によって意識する人も減ってきているようです。
無駄を省くという観点からも、白紙を添えるという慣習がなくなってきているのですね。
ですが、相手がマナーについてどう思っているか分からないので、目上の方に送る場合は白紙を添えておいたほうが無難と言えるでしょう。
もし難しいようであれば、御礼や挨拶の手紙の場合2枚以上書くことを心掛けてみてください。
また、手紙はフランクな関係でない場合、基本は縦書きで書くようにしましょう。
相手に気持ちを伝える意味でも基本的なマナーを覚えておくと役にたちますよ。
日本独特の文化を受け付いでいこう!
手紙には、縁起を担ぐことや、相手への敬意や配慮の込められた日本ならではのマナーがあることが分かりましたね。
現代では手紙を出すことは減ってきておりますが、こういった素敵な思いやりは受け継いでいきたいですよね。
知っているのと、知らないのでは相手からの印象も変わってきますし、これから手紙を出そうという方がいたら是非とも参考にしてみてください。
また、弔事やお見舞いなどの手紙は受け取る側もデリケートになっている場合が多いので、気を付けたいですね。
白紙を利用するにしろしないにしろ、心のこもった手紙が相手に届くよう願っております。