スズメバチに刺されたらどのくらいの痛みがあるのでしょうか?
スズメバチに刺されてしまうと、最悪の場合命を落としてしまうこともあると言われています。
あなたはもしスズメバチに刺されたらどうしますか?
例えば山登りやハイキング中にスズメバチに襲われた場合、すぐに病院には行けませんよね。
きっとパニックになり、痛みと恐怖で悲鳴をあげてしまい、スズメバチを余計に刺激してしまい、大変な状態になるのではないかなと思います。
そうならないためにも、知っておくべき応急処置法や症状の見極め方についてご紹介していきます。
スズメバチに刺される痛さはどのくらい?
スズメバチに刺されてしまうと瞬時に激しい痛みに襲われます。
激しい痛みと言っても、刺されたことがないとどんなものか想像がつかないですよね。
- 至近距離からエアガンで撃たれたかのような痛み
- 太いトゲや針のようなものがぶすっと思いっきり刺さったような痛み
- 激しく思いっきり叩かれた時のような痛み
- 火傷をした時のような傷み
こんな感じです。
なんとなくご想像していただけたでしょうか。かなり痛そうですよね。
スズメバチに刺されると、瞬間にこのような激しい痛みを感じるのですが、痛みの程度はその時の体調や個人の体質にもよって変わってきます。
ではもし蜂に刺された時に、このような激しい痛みはどのくらい続くのでしょうか?
スズメバチに刺された時の痛みはどれくらい続く?
初めて刺された場合でも、個人差はあり痛みは1~2時間で治ることもあれば、数時間から1日かかることもあるようです。
痛みがどれくらい続くのかは、個人差がある為はっきりと決めることはできませんが、上記のような痛みを長時間感じなければいけないのは間違いありません。
なので、できるだけ刺されたくないものですよね。
しかし、スズメバチに不意に遭遇してしまったり、どんなに気をつけていても刺されてしまったりということもあります。
そんなときのために、もしスズメバチに刺されても慌てず応急処置をできるようにしておきましょう。
応急措置については後ほどお話ししますね。
スズメバチに刺されておこる症状!刺された場所が腫れない場合も!
刺される痛みや集団で襲ってくる習性がもう恐怖でしかありませんが、やはり「アナフィラキシーショック症状」に陥ることが一番怖いです。
上でお話ししたように、スズメバチに刺されたらまずは痛みを感じます。
刺された部分から炎症をおこし、広がり、腫れ上がります。
腫れ上がるだけ腫れたら、スーッと腫れがひきます。
そしてなんだか痒くなります。
そこから、全身にまで至る症状、アナフィラキシーショックに陥るのか、刺された場所だけの話で済むのかは年齢や体質によります。
局所症状と全身症状とは
よく言われるのが、局所症状なら応急処置をして様子見をしましょう、です。
翌日にでも皮膚科に行けば問題ないことが多いです。
全身症状が現れたときは救急です。
応急処置もなにも、私たちにできることは限られてますからすぐに病院へ駆け込みましょう。
全身症状
全身症状は、刺されてから15分が生死を分けると言われています。
スズメバチ、恐ろしすぎますね。
アナフィラキシーショック症状が出れば誰でも危険を察知できますが、そうでない場合わかりにくいかもしれません。
刺された部分は腫れないで、それ以外の場所に異変が現れたら、それは全身症状です。
本人が大丈夫と言おうと、絶対に救急搬送しましょう。
これはまだマシな方で、一週間もすぎてから現れる全身症状があるんです。
これを遅延型全身症状といいます。
遅延型全身症状
遅延型全身症状の見極めも、刺された部分は腫れないで、それ以外の場所に異変があります。
頭痛や発熱、蕁麻疹なども代表的な症状です。
重度になると、アナフィラキシーショックが起きます。
アナフィラキシーショックはアレルギーがある人にしか起こりません。
アレルギーがある人は特に注意が必要です。
また、自分はアレルギーなんてない、と思っている人でアナフィラキシーショックになる人もいます。
検査をせず、知らない間にアレルギー持ちになっている可能性もあるので油断はしてはいけません。
遅延型を経験した人は、
「スズメバチに刺されたのはもう10日も前なのに…」
と思ってしまいます。
これがスズメバチに刺される怖さなんです。
具体的には、
- 全身に紫色の斑点(はんてん)が現れる
- 腱反射(けんはんしゃ)が無くなる
- 腎臓の炎症による血尿
- 食欲不振
こんな感じです。
これらが見受けられた場合はすぐに病院に行ってください。
命に関わります。
もし、たいしたことがないと自分で感じていたとしても、遅延型の症状があるなら必ず病院に行ってくださいね。
スズメバチに刺された時の応急処置とは?
①その場から離れる
まずスズメバチに刺されてしまったらすぐにその場から離れるようにしましょう。
蜂はフェロモンを出して仲間を呼び寄せる習性があるので、大量のスズメバチが集まってきてしまうかもしれません。
そのためすぐにその場から離れるようにしましょう。
②水で流す
スズメバチの毒は水溶性なので水に溶けてくれます。
もし刺されてしまった時は刺された患部の周りの肉をつまんで、血と一緒に毒を外に出すようにしながら水で流してあげます。
出先などで水道がすぐにない場合は、持っていたらお茶や水で流してもいいです。
③ステロイド軟膏を塗る
もし持っているのであれば水を拭き取ってすぐ抗ヒスタミン剤が含まれているステロイド軟膏を塗るようにします。
④患部を冷やす
スズメバチに刺されると痛みや腫れがあります。
痛みや腫れを和らげるためには患部を冷やして安静にするようにしましょう。
⑤全身症状が現れたらすぐに病院に行く
上でもお話ししましたが、スズメバチに刺されると最悪の場合死に至ります。
ハチに刺された時に多くの毒が注入されていたり、 強い毒性のものを注入されたり、過去にもスズメバチに刺されたことがあるという方は、動悸や蕁麻疹、呼吸困難などなど様々な全身症状が出てくることがあります。
刺されてすぐにこのような症状が急激に現れた場合は、命に関わってくる可能性があるので救急車を要請するなどの対応をしましょう。
スズメバチに2回刺されてはいけない?アレルギー反応とは?
スズメバチに一度刺されてしまうと、2回目からは刺されないように気を付けなければいけない・2回目刺されたら命に危険があるというのは聞いたことがあるのではないでしょうか。
ではどうしてこのようなことが言われているのでしょうか。
それは一度蜂に刺されてしまうと、2回目は急性のアレルギー反応を引き起こす可能性が高いからだと言われています。
それでは蜂に2回目刺された時のアレルギー反応について紹介していきます。
スズメバチのアレルギー反応は?
私たちの人間の体は、体の中にウイルスや細菌などが入ってきたとき、体内に「抗体」 というものが作られており、ウイルスや細菌などの外敵を退治する「免疫」 が備わっています。
予防接種なんかもそうですよね。
しかしこの免疫の仕組みが原因となり、食べ物や花粉などの害を与えない物質に対しても、体内に入ると「有害」なものとして過剰な反応をし、それを攻撃しすぎることにより前の巣の症状を引き起こしてしまうのが「アレルギー」と言われています。
本来であれば体を守るはずの反応なのですが、反対に傷つけてしまうアレルギー反応に変わってしまうのです。
そのため、食物アレルギーや薬物のアレルギーなど様々なアレルギーが存在しています。
一度蜂に刺されてしまうと、免疫反応によって蜂の毒に対する抗体が体内で作られます。
その抗体がマスト細胞につき、再び蜂の毒が体内に入ってくることで、アレルギー症状を引き起こす化学物質がマスト細胞から放出されてしまい、わたしたちの体にアレルギー反応が発生するという仕組みになっています。
アナフィラキシーショックのおそろしさ
「アナフィラキシーショック」はわずかな時間の間に全身にアレルギー症状が出ることを言います。
ハチに刺されて命を落としたという方も大勢いらっしゃいますが、蜂に刺されて死亡した方のほとんどがこのアナフィラキシーショックによるものだと言われています。
アナフィラキシーショックに陥ると、血圧の低下や気管の浮腫による呼吸困難が原因で死に至ります。
蜂毒アレルギーを持っている人は、同じ種類の蜂に2回以上刺されると患部の腫れや痒みなどの症状に加え、その中の1割から2割の方がアナフィラキシーを引き起こして全身症状に現れたりします。
蜂毒アレルギーは一度刺されたことがあるとなりやすいですが、刺されたことがなくても、もともとその抗体がある人もいます。
全身症状が現れた人の中でさらに数パーセントの方は意識が朦朧としたりするなどの意識障害が出たり、急な血圧低下などを引き起こしやすくなり命の危険にさらされるということになります。
そのため一度スズメバチに刺された人が、2回目にスズメバチに刺されると命に危険があると言われているのは、このように一度刺された時にできた抗体があることで、アナフィラキシー症状を引き起こしやすくなっているからなのです。
まとめ
スズメバチに刺されると、激しい痛みに襲われたり、痛みが長時間続いたりなど個人差はありますが、 中には1日では痛みがなくならなかったという方もいるようです。
スズメバチの場合、毒性がつよいため、全身になんらかの異変をおこす全身症状が現れ、最悪アナフィラキシーショックで死に至ることもあります。
しかも、即時症状がでる即時症状型と、10日ほど経過してから出る遅延型症状があるのが厄介です。
スズメバチに刺されたら、とにかく応急処置、そして病院です。
応急処置は、患部をきれいに洗い、抗ヒスタミン系の塗り薬を塗り、よく冷やします。
抗ヒスタミン剤がわからない人は薬局で、スズメバチに刺されたら話をすれば適した薬を出してくれますよ。
できる限りのことだけをして、あとはやはりプロや専門家である医師に委ねるしかないのです。
どんな場所でもスズメバチが存在する可能性があるため、刺されてしまう前にスズメバチの生態なども知っておき予防しておくと良いでしょう。