旧正月と言うと、旧暦の新年を思い浮かべる方も多いと思いますが、立春はいかがでしょうか?
立春も春の始まり、つまり一年の始まりと考えている方もいるでしょうが、では旧正月と立春は同じ新年の始まりと言えるのでしょうか。
そこで今回は旧正月と立春の違いについて、また節分について紹介していきたいと思います。
旧正月とは?
旧正月は、 旧暦のお正月つまり1月1日のことです。
旧暦は明治5年まで使われていた太陰太陽暦で、月の満ち欠けを基準として、季節とずれがないように太陽の動きも考慮に入れた暦です。
明治5年からは太陽の動きをもとに作られた新暦が用いられるようになりました。
それ以来、日本では新暦の1月1日を元旦としてお祝いをしています。
現在日本では新暦の1月1日をお正月としてお祝いをしているのですが、他のアジアの国々では旧正月をお正月と考えてお祝いしています。
なぜアジアの中で日本だけが、旧正月を祝わなくなったか、その理由は定かではありません。
しかし、中国の影響が強い地域である、長崎や神戸・横浜の中華街などでは現旧正月に盛大なお祭りが行われているようです。
また沖縄の一部の地域には、旧正月をお正月としてお祝いをし、新暦のお正月もお祝いをするので、2回お正月をお祝いするという地域もあるようです。
先ほど紹介したように、旧暦は月の満ち欠けを基準として月日が決められていたのですが。
まず新月が1日で、満月が15日、そして次の新月になるまでを1ヶ月とされていました。
すると新月から次の新月は平均で29.5日あります。
そのため一年が354日になってしまいます。
太陽の動きを基準とすると、1年は365日になるため、月の満ち欠けを基準としていると11日短くなってしまいます。
そうすると3年間で約一ヶ月のズレが生じてしまいますよね。
それを解消するために3年に1度「閏月」というものを設けることにより、一年間を13ヶ月にして太陽の動きに合うように調整していました。
このようなことから、旧正月を新暦に当てはめると一ヶ月程毎年ずれが生じるため、毎年の旧正月の日は違うんです。
ちなみに今年2018年の旧正月の日は、2月16日でした。
立春とは?
立春とは『二十四節気』の最初の節気です。
二十四節気とは一年間の季節を四季をより細かく24個に分けたもので、それぞれの節気は太陽の通り道の位置によって算出されています。
暦の上の立春は、その節気のはじまりの日となります。
立春はこの日から春が始まるという意味を持ち、新年の始まりとされています。
立春は太陽の運行に基づき算出されているためその年によって日にちも変わってきます。
ちなみに今年2018年の立春は2月4日でした。
旧正月と立春はどちらも新年?
旧正月も立春も、それぞれを見ると同じ新年の始まりとなっていますが、日にちが異なったりするのはなぜでしょうか。
旧正月は月の満ち欠けを基準とした暦での新年、旧暦で言われる1月1日のことになります。
立春は太陽の運行に基づき決められている二十四節気の新年ということで、考え方が全く異なってきます。
旧正月は旧暦の1月1日のことです。
そして立春はこの日を1月1日にするというわけではなく、二十四節気で決められた日付を新年の春の始まりという考え方をします。
旧正月も立春も新年となりますが、考え方はこのように違うということがわかりました。
節分は?
節分は、2月3日に恵方巻きを食べたりするなどの習慣がありますよね。
本来は立春・立夏・立秋・立冬の前日のことを言うんです。
考え方としてはお正月を祝う前日の大晦日ということになります。
節分は現在では2月3日に恵方巻きを食べたりなどをし、一年の健康を願ったりしますが、この日だけにこのような習慣が残っているのも、立春が『新年のスタート』と考えられているからだと言われています。
まとめ
旧正月・立春・節分について紹介しましたがいかがでしたか?
それぞれの意味や考え方などが違うということがはっきり分かりました。
これまでなんとなく本来の意味など知らずにお祝いをしていたり、行事を行っていたりしたという方も多かったのではないでしょうか。
私もそのうちのひとりです。
これから先、行事を行うときにはぜひ次の世代にも伝えていきたいものですね。